沈む



表記する文字の無いのが気の毒だ
たまらなく、たまらなく
いつまでも張り付いたまま離れない
勝手に重ねて、血潮に重ねて
告解よろしく跪いても
君を表す記号の無いのが
ただひたすらに可哀想だ
頭でいくら波が立っても
流れる実物にはかないっこない
でも針の先ほどの核心の話は
なんだか飽きて、流してしまった
おかしなことを言うね
おかしなことを、言うよね
空が落ちてくるのではなく
僕が地面に沈むんだ
それでもやっぱり都合のいい空想だから
終わりはきっと、眠るだけ
僕は栗鼠だよ、だって君が呼んだんだ
僕は花だよ、だって君がそう呼んだ
僕はヒトじゃなかったよ
だって君は呉れなかった
早く排除したいなあ
底に当たって砕ける前に



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