ほね
かくん、と音をさせて首を落としても
僕のことだから誰も見向きはしないし
白骨化したあとに見つけられて
識らないところで嘆かれるのがオチ
その裏側を気にしてしまう君のことが
僕はすごくいとしいと感じるよ
くちもとを緩めてしまうし
なんなら笑い声を出してしまう
閉じ込めて、処刑してしまいたいよ
似合わない紅を引いてしまう愚かしさも
すきだよを海に流そうとするところも
きらいの概念をゴミみたいに抱えてるところも
自分には追記がないと勘違いしているところも
僕は僕に求められたくて仕方がなくて
そうして今日も悪夢を見る
そこへ至れない結果を
悲しむであろう君を想像して
完結して仕舞えばきっと愉しいだろうに
部品に過ぎない僕たちには過ぎる話だね
間投詞ばかりが邪魔をして会話も出来ない
複数を継続する為に産み出したはずなのに
いつの間にか複数を殺す武器になってしまったそれ
君はきっと笑っているし
否が応でも自覚が芽生えるから
不快さにまた武器を手に取っては投げ付けて
もう説明書も無視してしまうくらい見えなくなって
他人に論破されるのを心待ちにしている
僕が首を落とす過程を知らない君に
渡せる後悔や未練は何も無いよ
僕が首を落とす過程を知らない君は
昨日も今日も明日も、まだ眠れないだろうから
説明するまでもなく
僕は今日も首を差し出して
だいすきなそれに殺される
いくつあっても足りない首と
足元にごろごろと転がる骨たちと
完結が在るはずもなく消えるそれと
本当はね、識らなくていいんだよ
だから一緒に不仕合わせになってね
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