シロアリ
何かが焼ける音がする
君がそう言うから
雨の音が怖くなったんだ
自分が焼かれる音がする
僕はきっと死んでからも
生きたまま火葬される音を聞いてしまうんだ
そのどうしようもない「それ」を
君が呼ぶままに
君の手招きのままに
僕は吐き出して提示しよう
種類は問わない
笑っていて欲しい
種類は問わないんだ
あるのは事実だけで
僕は君が指し示すままに
きっとふらふらと辿ってしまうから
どうか道は
なるべくいいものを描いてね
こんな愚か者を
投げ捨てて好意だと呼ぶのは
君しか居ないような気がしてしまう僕を
他の人にではなく
それに関してだけは
僕は君に赦しを乞うから
「ボールペンの跡を律儀に辿ってしまうシロアリを見ていると、僕の仲間だなと思うんだ」
「或いは前世かもしれないね」
「他の示す道にしか行けないような造りなのかも」
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