リス



オリジナリティを誤解して、
君の爪より小さい小さいその支配は、
果たして欲として稼働しているのかな。

独創性を殺すくせに
僕だけを僕だけをと
たいしたダメージにもならないような挙動を投げて、
君はそれをどう呼ぶの?

うるさいよね、おかしいよね、
わかってあげられるかな、
わかってあげられないかもしれない。

産まれてくる何年も何十年も何百年も
何千年も何万年も前から。
きっとわっかにしか価値が無いことは
わかっているでしょう?

簡単なことをいくつも並べて複雑に見せかけて、
複雑な自分を淘汰してはまた
水の揺らぎに感情を落として。

そぎ落とすまで?
それとも溶けて消えるまで?
自分の意思で吐き出してもいいかもしれないでも、
それはちゃんと土に還ってくれるかな。
微生物の好き嫌いにもしかしたら
応えられない可能性だってゼロじゃないし、
薄暗い廃墟でも
灯りを欲しがらない女の子だっている。

空気の音に驚いたって何もいいことはない。
見えるものだけ。
見えないものだけ。

呼び名はさてなんて付けよう。
名前が単なる記号ではなく人形繰りの糸だとしても、
記号表記はそれ一定以上にちからを持たない。
占いは信じられないし一緒くたにして仕舞えはしない。
だから可愛いねって俗を愛でる。

ひとことに彩りを割いてもそこから花は出てこないし、
鉛筆を使うときは安心感を得たいときだし、
使い捨てを使い捨てないように、
自分が悲しみを背負うのが嫌だから
言い訳をつけて逃げ道を用意して、
霞も入らないその口で、何の影を語るのか。

僕は心情しか話せない、僕は情景しか話せない。

てのひらが握られたままだからたぶん看過しているけど、
僕だけを取り上げるなら僕は
想像上の生き物としてきっと期待されていた。

驚かせたのなら申し訳ないな、
そういうつもりは無かったのだけれど。

先天的な恐怖は後天的なまじないには敵わないし、
先天的な五感は後天的に変化したとしても
一方的には交わらない。

いちわ、ひとつぶ数えても、
配慮は為さない残るだけ。

残すため?

目に見えるものは測れても
君が見せないその御守りは
ずっとずっと身代わりで、
僕なら壊してしまえるかと、
思ってしまったんだ。

不吉を呼ぶらしい黒猫を
切り離して考えるのには
あまりにあまりに惜しくはないかい、
だって燃やしても凍らせてもダメなんだもの、
適切はいつも証明で、
でも駄々を捏ねて教えてもらった幸福で、
現状維持なんて戯言を
とりあえず書き出す前に深呼吸して欲しいんだよ、
善くならないと善くならないと
文字通り維持は不可能だから。

ぼくは君が黒を白といえば白にするし
白を黒といえば黒にするけど
適切は留まってないから間は取れないよ、
画面にメモでも貼り付けて、
おいおい泣く前に飛んでお終いなさい。

どっちに転んでもいわゆる地獄というものなら、
あとは早いか遅いかだけの差で、
好みの問題、個体差の話。
聞き出したいのは後者だと思う、
感覚や感情論ではなくて附属や所属、
物理的なお話。

君の耳を乗っ取ることが出来たら
僕は何の音が聞けるかな、
もしかしたら土の中の中の生き物の
うめき声も聞けるのだろうか。

遠い遠い場所でのお話に涙するのは優しいのか、
遠い遠いからとひた隠しにしてしまうのは優しいのか、
君は優しいのか、
僕は優しいのか、

偽善という言葉は大変便利だけれども
だからこそ陳腐で、
使い勝手は良くないね。

評価を得る為の発表会は、
評価を得られれば練習しなくても良かったのかな、
先生は君は良い子だ良い子だと
褒めてくださるけれどもその虚な目が
怖くてたまらなくて僕は評価なんて欲しくなかった。
良い子良い子は悪い子だから、
悪い子悪い子なら罰されて然るべきだったような気もするし、
でも、でも息をすれば存在出来てしまう可能性の範囲では
僕にそれは不可能だったんだ。

過去はずっと過去形だし、
現在もいま過去になったし、
進めば進むほど僕の形のない土嚢袋からは
ぽろぽろといままで拾ってきたものが落ちていくし、
気が付けないままだろうとまたそれに恐怖してしまうんだ。

物は、失くすのではなく逃げるのだ。
大切にしていないのではなく逃げられるのだ。
叱られたって困ってしまう、
努力や意志の尊重で可能な範囲のみを喋って欲しいのに、
大人は全てを可能の大前提で喋るので、
もっともっと困ってしまう。

深層心理の価値観で億劫なのは
いつも死にたがりの大人の方。
壊滅的な状況下でも幼児をあやす君の方。

磔にしたって構わない、
僕も君も神話足り得ず何度産まれても派生するのみ。
掬った砂をいっぱいこぼして、
また掬ってはこぼして汚して、
取り決めのない諍いに自分を反映させてみたりして、
深夜に構想重ねて全部、
同じになるのが怖いんだ。

当事者であればきっと好きだったのに、
現場の視点ならきっと肯定したのに。

でもこれはリスだから、そんなの関係ないんだよね。



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