呼吸





肺が膨らんだり縮んだりするのを
いまにも僕を潰しそうな天井が見ている
気が付いたら木目だった
いいや、ずっとそうだったのかもしれない

味のない水槽、僕は重力には敵わないから
いっそひとおもいに潰して呉れ、とも

薄ら寒い視界は僕の叶う限り平面で
折り目をつけすぎた折り紙みたいに
とにかくとにかく存在だけを示そうとする
並べて、積んで、誰かの心の穴まで
たぶん、潰して、破棄したい

ただ、一定を、繰り返す、だけの、
単純作業も碌に出来ない僕の、
僕から、出てくるものは真っ白で、
それが、浅ましくて、悲しいから、
反転して、早く、懐に隠して仕舞いましょう、と

(でも例え色が着いてたって見えないでしょ?)

昨日より今日、今日より明日、明日より、
日毎、酸素は足りなくなって
呼吸は作業に成り下がる

確定事項の無い可哀想な形容詞
(殺めてあげられなくてごめんね)
(君は僕と死ぬんだよ)



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