不毛
咲いて彩る花の名を
身代わりにしてしくしくと
不毛な夜明けを待っている
不毛なひかりを待っている
ぼくはぼく
ぼくはぼく
言いなりの蚕と路上の隅で
不確かな化学と少しの嘘で
しあわせを願う君を看取ってる
在りたい君をぼくはぼくはぼくは
成らない君に、失くすのだ
ありがとうと罪を吐いては
有り/難いことに身を投げる
たぶん、これは、くやしいのだと
わかりたくはなかったよ
誰を思えば愛になり
誰を思えば哀を得て
誰に思えば阨を尊び
誰と思えば遭えたのか
しあわせを願う君を、僕は
あいに隠して消したかった
しあわせを願う君を、僕は
とうとう殺してしまうのだろう
駄々だよ、此れは
地面に転がって泣き叫ぶこどもと
なにひとつなにひとつ変わらない
駄々だよ、此れは
だから大丈夫、きみは
もう大人になってしまったから
経験しか産まない後悔を
経験から千切って捨てたい僕です
愚かでしょう
愚かでしょう
やっぱり僕は飛べなくて
せめてうまく泳ぎたくて
けれども僕はにんげんだからね
鳥や魚ではないんだよ
綺麗なものを身代わりに
綺麗と、思われるものを身代わりに
綺麗と、称されるものを身代わりに
綺麗と、評されるものを身代わりに
綺麗と、言われるものを身代わりに
やっぱり不毛だよ
空を飛ばない君でよかった
海を泳がない君でよかった
ただ、それだけ
いまは、それだけ
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